ねじ下穴ナビ

ねじ下穴ナビ— Tap & Drill Advisor

タップの下穴、ボルトのバカ穴、木ねじの下穴。ねじのサイズを選ぶだけで、開けるドリル径がわかります。

「下穴、何ミリだっけ」を毎回調べ直す問題

M6のタップを立てるのに、その都度スマホで「M6 タップ 下穴」と検索していないでしょうか。この検索、実は結構危険です。ネット上には並目と細目が混ざった表、単位を間違えた表、そもそも出典不明の数字がいくつも転がっています。タップ下穴は1本間違えると被害が大きい寸法です。下穴が小さすぎればタップに大きな負荷がかかって折れ、折れたタップは超硬合金並みに硬いため素材の中からほぼ抜けなくなります。逆に下穴が大きすぎるとねじ山の高さが足りず、締めても空転したりナメたりします。毎回検索し直す手間と、誤った数字を掴んでしまうリスクの両方を減らしたくて、このツールを作りました。

タップ下穴の原則はシンプルで、「下穴径 = 呼び径 − ピッチ」という引き算だけです。これは幾何学的にねじ山が100%の高さで立つ計算になりますが、実務では100%山を狙うと抵抗が大きくタップが折れやすくなるため、75%山前後を狙うのが一般的とされています。柔らかいアルミや樹脂はやや大きめの下穴、鉄やステンレスのような硬い材は表通りかやや小さめ、という調整も併記しました。バカ穴(通し穴)側は逆に「ねじ山を切らず、ボルトがすっと通ればいい」穴なので、JIS B 1001が呼び径に対して1級(密)、2級(中)、3級(粗)の3段階の隙間を規定しています。位置精度が必要な組付けには1級、普段のDIYや電子工作なら2級で十分、という使い分けです。

木ねじの下穴は、金属用タップとは発想がまったく違います。金属ねじの下穴は「ねじ山を切るための溝」ですが、木ねじの下穴は「木材が割れるのを防ぐための逃がし」です。木は繊維方向に力がかかると簡単に裂けるため、下穴なしで木ねじを打つと、特に端部や硬い材で割れが起きます。目安として、SPFや杉、パインのような軟材はねじ径の60〜70%、オークや集成材、ラワンのような硬材は70〜90%(ねじの谷径に近い径)を下穴にする、という係数で考えます。これは測量や工務の現場でも、標識や仮設物を木材に留める場面でそのまま使える小ネタです。

結論として、このツールが出す数字はすべて「目安」です。材質のロット差、ドリルの摩耗、木材の含水率で最適な下穴径は前後します。本番の材で1本開ける前に、必ず端材で試し穴を開けて締まり具合を確かめてください。タップ作業では切削油を使うとタップ寿命が延び、木ねじ作業では頭を沈めたい場合に皿取り(面取り)をひと手間加えると仕上がりが安定します。