はんだ付けナビ

はんだ付けナビ— Soldering Advisor

こて先の温度、うまく付かない原因、道具の選び方。はんだの種類と作業から、適温とコツを引き出します。

付かない、汚い、を減らすたった3つの要点

はんだ付けの失敗は、突き詰めるとほとんどが「温度不足」か「酸化、清掃不足」のどちらかです。厄介なのは、この2つは症状がよく似ていて、初心者ほど逆方向に対処してしまうことです。うまく付かないと感じると、つい温度を上げたくなりますが、原因が清掃不足やフラックス切れだった場合、温度を上げても状況は変わらず、ランドが剥がれたり部品が壊れたりする悪循環に入ります。まずは「こて先がきれいで、はんだがきちんと乗っているか」を疑うのが先です。温度はその次の調整項目です。

有鉛はんだ(Sn63Pb37など)は融点183℃で、成分の配合比により一点で溶けて固まる「共晶はんだ」です。これに対して鉛フリーはんだ(SAC305など)は融点が約217〜220℃と30℃以上高く、しかも溶け始めから完全に固まるまでの温度幅があるため扱いにコツがいります。濡れにくく酸化しやすいので、フラックスの併用がほぼ前提になります。個人の電子工作であれば、法規制の対象でない限り扱いやすい有鉛はんだを選ぶのも現実的な判断です。ただし鉛は有害な金属なので、作業中の換気と、はんだ付け後の手洗いは必ず行ってください。

技術的な芯はひとつです。「こての上ではんだを溶かさない」こと。正しい手順は、こて先を対象(基板のランドや部品のリード線)に当てて数秒温め、そこにはんだを添えて対象の熱で溶かします。対象がきちんと温まっていれば、はんだは数秒でするりと濡れ広がります。逆に、こて先に溶かしたはんだを対象に運ぶように盛ると、表面だけがくっついた「イモはんだ」になりがちです。もうひとつの決め手はこて先の手入れです。こて先の表面は本来メッキで保護されていて、そこにはんだの薄い膜(予備はんだ)が乗っていることで熱がよく伝わります。酸化して黒くなったこて先は熱の伝わりが悪く、いくら温度を上げても仕事をしてくれません。だからといってヤスリで削るとメッキ自体が剥がれてしまうので、専用のこて先クリーナーやリフレッサーで手入れするのが正解です。

結論として必要なのは、温調式のこてと、作業に合ったこて先と、フラックスの3点です。まず自分の作業(基板の細かい部品か、太い線やGND面か、表面実装か)に合った適温を知り、こて先はこまめに拭いて清潔に保つ。この2つを習慣にするだけで、仕上がりは大きく変わります。このツールで示す温度や対処は代表的な目安です。使用するはんだやこての取扱説明書の推奨値も、あわせて確認してください。作業は換気の良い場所で行ってください。